虚々実々日記

これは僕(古藤)が日々感じていること、考えていること、体験したことを日記風にまとめたものです。
一部フィクションもありますが、概ね晴れるでしょう。

会社を休んで日本海に釣りに行った。
僕は昔から海が好きだ。釣りを始める前も海に出かけて行くのが好きだった。
ボーッと海を眺めているのがいいのだ。その時はほとんど何も考えていない。

高校生の時、僕は一年間、ヨット部にいた。スナイプ(二人用の競技艇)に乗っていた。
練習は結構きつく、4月くらいから10月の終わり頃まで、ほとんど休みなしに練習していた。
そんなある日の事、ショッキングな出来事があった。
夏合宿の最中のある朝の事だ。
起床時間の6時頃、艇庫で寝ていた僕たちの耳に「水死体だー!!」と浜の方から大きな声が飛び込んできた。
僕たちはあわてて飛び起き、艇庫から飛び出し、浜の方に駆け下りて行った。
先輩が一人、その横に立ってこちらを見ている。 水死体は顔を下にして、波打ち際で揺れていた。
「古藤、表を向けてみろ」と言われ、僕は肩のあたりに手をかけ、グルリと体を返した。そして、その瞬間、みんながギャーッと叫んだ。顔が無いのである。後で聞いた話だが砂浜で揺られるという事はサンドペーパーをかけられるようなものらしい。一瞬、時間が凍りついたように止まった。さっきまで聞こえていたカモメの声も、波の音も遠ざかっていく。自分で気が遠くなっていくのを感じた。と、その時、どこかで小さく呟く声が聞こえてきた。
「ぼく…ド…、」いったい誰だ。思わず水死体の方に目をやった。そいつは確かにこう呟いたのだ。「ぼく、ぼく、ドザエモン…。」
驚いた僕はあたりを見回したが、そこに「のびた」の姿はなかった…。

それは、あまりにもきつい合宿の最中の事であった。

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