虚々実々日記

これは僕(古藤)が日々感じていること、考えていること、体験したことを日記風にまとめたものです。
一部フィクションもありますが、概ね晴れるでしょう。

最近、芸能人が妻の出産に立ち会うという話をよく聞く。
はっきり言って僕は絶対に嫌だ。 うちの犬が9匹の子供を産んだ時にも僕は立ち会わなかった。なんか、少し怖いような気がするからだ。
しかし、今だから言えるが、僕は他人の奥さんの出産に少し立ち会ったことがある。長女が産まれようとしていた時、僕は仕事場から市民病院へと急いだ。着いてみるとまだまだ、産まれそうにないとのことだった。暇だったし、夕方でもあったので学生の頃から行っていた近所の飲み屋に晩飯を食べに行くことにした。
お酒を少し飲み、マスターと世間話をしていると、そこに学生時代のアルバイト先の上司だった人が入って来た。僕は大学生協の書籍部でアルバイトしていたので、その時の店長である。久し振り…とか、何とか言っているうちに、その時の僕の勤務態度が話題になった。実は僕はアルバイトで初めてこの人にクビを宣告された人間なのである。
理由は簡単で「働かない」奴だったからである。始めは友好的に話していたのだが、だんだん口喧嘩になってきた。
「うるさい、表に出ろー。」とまではいかないが、相当の言い争いになっしまった。
すると、マスターが「ことちゃん、奥さんは…?」と心配して聞いてくれた。

し、しまった。僕は大慌てで病院に戻った。まずい、産まれていたら一生文句を言われる。僕は分娩室の方へ入って行って、廊下から中をのぞき、探して 回った。あっ、居た。良かった。髪の毛を短く切って、大きなお腹をした後ろ姿が見えた。僕は後ろめたさから、立ち会いを覚悟して、中に入って行き、分娩台 の妻の背後に立った。苦しそうにうなっている。「がんばれ!」と僕は心の中で叫び、なぜ、医者がいないんだと少しムッとしてあたりを見回した。そして、 ベッドの横の名前を見た。えっ、誰?…僕はそーっと、気づかれないように顔をのぞき込んだ。

…そして、ゆっくりと後ろに下がり、その部屋を出た。

その後、待合室のベッドで酔っぱらって寝ていて、起こされた時は産まれた随分と後だった。それでも、子供は大きくなっていく。たいしたもんだ。

前のページにもどるこのページのトップに戻る