虚々実々日記

これは僕(古藤)が日々感じていること、考えていること、体験したことを日記風にまとめたものです。
一部フィクションもありますが、概ね晴れるでしょう。

昔、いかにもっともらしい嘘がつけるかという競争がはやったことがあった。

例えば、
「昨日の朝刊に載ってたんだけど、宝塚の動物園で珍しい種類のアルマジロが見つかったらしいよ」
「へー、どんな?」
「飼育していたアルマジロの様子がおかしいので分かったらしいんだけど…」
「どんなふうにおかしかったの?」
「男の飼育係の人が近づくと、お尻をむけたまま振りかえって潤んだ目でじっと見つめるんだって」
「えっ?」
「それで、よく調べてみたらアルマジロじゃなくて、珍しいオカマジロであることが判明しました」
「…なぐるぞ!!」
というような他愛もない嘘のつきあいである。

しかし、その中で傑出した嘘をついた奴がいた。
ちょうどそのころ、大学のキャンパスの片隅で何やら地面を掘り返して大規模な工事が行なわれていた。
回りは工事用のフェンスで囲われていた。みんなで何の工事かな?と噂をしていたら、ある日、張り紙がしてあった。
「ここにキリンの檻ができます。現在、キリンの名前を募集しています。」と書かれていた。
昔、僕たちの学校は現在の神戸・王子動物園の敷地にあったので何となく納得してしまった。真剣に名前を考えている奴もいた。

そして、2週間ほどたった時に、また新しい張り紙がしてあった。
「キリンの名前が決まりました。オスはビール。メスはレモンです」

完璧な嘘だった。下水工事が行われていただけだった。これには大半の学生がだまされた。この嘘をついた本人を僕は知っているが、やはり、現在も世の中をあざむいて生きている。

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