虚々実々日記

これは僕(古藤)が日々感じていること、考えていること、体験したことを日記風にまとめたものです。
一部フィクションもありますが、概ね晴れるでしょう。

この前、深夜に酔っぱらって帰り、何気無くTVをつけると妙な番組がやっていた。 地味な舞台の上に陰気そうな司会者が一人、その右手には審査員が5人座っている。 背後には「素人不幸自慢大会」の横断幕がかけられてある。

司会者「それでは第一回戦、赤組のトップバッターは栃木県からお越しの田中さんです。どうぞ!!

ふらふらと小柄な中年男が舞台に現れた。ひどくやつれた感じだ。

中年男「私が生まれたのは栃木県の山奥でした。生まれてまもなく両親が病死し、私は親戚のおじさん一家に引き取られました。その途端、おじさんの家は火事になり、 わたくしは近所に住んでいたクマに育てられました。
毎日がマタギ(猟師)との戦いでまるで生きた心地がしませんでした。その後、イギリスの探検家に保護され、サーカスの世界に華麗に転身したのですが、クマ に育てられた人間が玉乗りをしても、それは単に人間の玉乗りで、一向にうけませんでした。な、なんて悲しい人生なんだ…」
司会者「ありがとうございました。持ち時間がいっぱいになりました。それでは、あちらの方で審査結果をお待ちください。
さて、いよいよ盛り上がってまいりました。それでは白組は神戸からお越しの斉藤さんです。まだ21才で本番組出演者最年少です」
若い男「まぁ、あんまり大した事ないんだけど。この前、宝クジで1億あたったんだ。正確にいうと当 たったんだけど、金にはならなかったんだ。宝くじを銀行に持って行こうとして、道路を渡ろうとした時に、手に持った宝クジが風で飛ばされて、水溜まりに落 ちたんだ。あっ、と思ったら車に一回、宝クジが踏まれて、その後、大型トラックが来たもんだから、飛び出したら、トラックにはねられたんだ。
それで、一ヶ月、意識が無くって、宝クジは無くなってるし、そんな話しても、誰も信じてくれないし…」
司会者「はい。貴重なお話をありがとうございます。それでは、いよいよ審査の時間です。
さて、審査員のみなさん、赤、白どっち?!」

結果は赤4人、白1人で赤の中年男の圧勝だった。

司会者「それでは審査委員長の鈴木さん。寸評をお願いします」
審査委員長「…あのな。その若い男の話、ちょっと嘘臭い」

次の日、目が覚めるとTVの前で服のまま寝ていた。やっぱり、酒はほどほどにしなきゃ。

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